
住宅ローン控除(減税)は、住宅ローンを利用した方を対象に、納めた税金の一部が控除される嬉しい制度です。しかし、令和6年1月以降、一定の省エネ性能基準を満たさない住宅は制度適用の対象外となりました。
この記事では、新しく変わった住宅ローン控除の概要や、減税を受けるためのポイントを解説します。制度を最大限活用したいとお考えの方は、ぜひ参考にしてください。
令和6年1月以降は省エネ基準適合が必須に

これからの住宅ローン控除の基本

これまでは幅広い新築や中古住宅が対象となっていた住宅ローン控除ですが、令和6年1月1日以降に建築確認を受けた新築住宅について控除を受ける場合には、省エネ基準適合住宅以上の性能を持つことが条件となりました。
省エネ基準適合住宅とは、建築物省エネ法で定める基準をクリアした住宅のことで、消費エネルギーを抑えながら快適な住環境を実現する家を指します。具体的には、断熱等性能等級4かつ一次エネルギー消費量等級4以上の性能を有することが求められます。上記の性能未満の省エネ基準に適合住宅は、新築であっても住宅ローン控除を受けることができません。
省エネ基準に適合する住宅は主に以下の種類が挙げられます。
・認定長期優良住宅
・認定低炭素住宅
・ZEH水準省エネ住宅
・省エネ基準適合住宅
【省エネ住宅種類別】住宅ローン控除のための証明書
住宅ローン控除を受けるためには、住宅購入および入居の翌年2月16日から3月15日までの間に確定申告をする必要があります。確定申告の際に、必須の書類に加え省エネ基準に適合していることを証明する書類を合わせて提出することで対象と認められます。
基準適合を証明する書類は省エネ住宅の区分によって異なるため、それぞれ紹介していきます。
認定長期優良住宅または認定低炭素住宅の場合
① 「認定通知書」の写し:都道府県または市区町村等が発行
② 「住宅家屋証明書」:市区町村が発行
または「認定長期優良(低炭素)住宅建築証明書」:建築士等が発行
※①かつ②をあわせて提出
省エネ基準適合住宅またはZEH水準省エネ住宅の場合
① 「建設住宅性能評価書」の写し:登録住宅性能評価機関が発行
② 「住宅省エネルギー性能証明書」:登録住宅性能評価機関のほか、建築士や指定確認検査機関等が発行
※①または②のいずれかを提出
それ以外の住宅の場合
省エネ基準適合住宅に該当しない場合は基本的に住宅ローン控除の対象外となりますが、現在は経過措置が設けられ、下記の条件どちらかに当てはまれば控除の対象となります。
① 令和5年末までに建築確認を受けている
② 令和6年6月末までに竣工済み
① に該当する場合は「建築確認に係る確認済証」または「検査済証」の写し、②に該当する場合は令和6年6月30日以前に建築されたことを明記した「登記事項証明書」の添付が必要です。
そもそも住宅ローン控除とは

あらためて住宅ローン控除について確認していきましょう。
住宅ローン控除(減税)とは、正式な名称を「住宅借入金等特別控除」といい、一定期間について納めた所得税・住民税が住宅ローンの残高に応じて控除される制度です。基本的には、入居から13年間、年末の住宅ローン残高の0.7%分の税金が返ってきます。
住宅ローン控除を受けるための要件

住宅ローン控除を適用するには、省エネ基準適合以外の項目として主に以下の要件を満たす必要があります。
・ローン契約者自身が住む
・住宅ローン借入金の返済期間が10年以上
・合計所得額(※)が2,000万円以下
・床面積が50㎡以上かつ居住用に2分の1以上を使う
・居住年およびその前2年の計3年間に譲渡所得の課税の特例の適用を受けていない
※合計所得額:給与所得、事業所得、不動産所得、公的年金等に係る所得、利子、配当、退職金に係る所得(非課税所得を除く)などすべての所得の合算額
参考:国税庁|1211-1 住宅の新築等をし、令和4年以降に居住の用に供した場合(住宅借入金等特別控除)
省エネ性能に応じた借入限度額
住宅ローン控除は年末の住宅ローン残高の0.7%が控除される仕組みですが、残高すべての額が対象となるわけはなく、限度額が設定されています。さらに、その限度額は住宅の省エネ性能が高いほど上がり、減税効果が大きくなります。
令和6年以降の新築住宅における住宅性能と借入限度額の関係は以下の通りです。
| 住宅性能 | 借入限度額 | 最大控除額 | 控除期間 | 控除率 | 
| 認定住宅 | 4,500万円 | 409.5万円 | 13年 | 0.7% | 
| ZEH水準省エネ住宅 | 3,500万円 | 318.5万円 | ||
| 省エネ基準適合住宅 | 3,000万円 | 273万円 | ||
| その他の住宅 | 0円 | 0円 | ― | 
※子育て世帯には条件の優遇あり
例えば、省エネ基準適合住宅の新築を建てて金融機関に5,000万円の借り入れをした場合でも、住宅ローン控除を適用できるのは3,000万円です。このケースでは、毎年[3,000万円×0.7%=21万円]の控除がありますが、返済開始から13年以内に年末残高が3,000万円を下回った場合には[年末残高×0.7%]の金額が控除額となります。
住宅ローン控除を受けるためのポイント

住宅性能によっては約400万円もの減税が実現する住宅ローン控除。制度を確実に適用させるために必要な手続きをチェックしていきましょう。
省エネ基準適合の証明書をもらう
前項でもお伝えした通り、住宅ローン控除を受けるためには省エネ基準適合住宅以上の省エネ性能を持つことを証明する必要があります。確定申告時に必須書類とあわせて管轄の税務署に提出します。
証明書類は住宅性能の区分によって発行元が変わり、依頼先の選定や手続きなど非常に煩雑です。まずはマイホームの購入先である住宅会社や担当の設計士に相談しましょう。
確定申告をお忘れなく

住宅ローン控除のための確定申告は、給与所得の会社員であっても必須です。
手続きの方法は下記のとおり複数あり、利便性の良い方法を選ぶことができます。
・国税庁のサイト上で申告書を作成、インターネットで申告
・税務署の作成コーナーでe-taxを使用して作成・申告
・国税庁のサイト上で申告書を入手、税務署に持参または郵送
・税務署で申告書を入手、税務署に持参または郵送
確定申告の際は購入住宅に関することだけでなく、源泉徴収票の情報や任意保険の額、給与所得外の収入やふるさと納税の寄付額など、あらゆる収支を記載する必要があります。また、添付書類についても、本人確認書類や不動産の登記事項証明書、契約書の写しなど非常に種類が多く、集めるのにも手間と時間を要するでしょう。
会社が年末調整を行っており、手続きに慣れていない会社員にとっては大変な作業です。自治体による相談会や、金融機関や不動産会社、住宅会社が開催するセミナーなども多いため、積極的に利用しましょう。なお、会社員の方であれば確定申告を行った翌年以降は会社の年末調整時に必要書類を提出するだけで手続きが完了します。
現行制度は令和7年まで!

住宅ローン控除の現行制度は令和7年までが対象となっており、以後の見通しは明らかにされていません。また、住宅ローン控除の制度内容は年々要件が厳しくなっており、借入限度額も縮小傾向にあります。令和8年以降に制度延長があったとしても、現行制度以上の内容は期待できない見込みです。
現在マイホームを検討する方で、住宅ローン控除を利用したいという意思がある場合には、令和7年末までの入居を目指して計画を進めることをおすすめします。
まとめ

令和6年から省エネ基準適合が要件となった住宅ローン控除についてお伝えしました。
省エネ基準の水準がアップしたことから、現在の家づくりは以前に増して複雑化し、それに伴い住宅ローン控除の手続きも煩雑になっています。控除を受けるために必要な性能証明書や控除額のシミュレーション、確定申告など、単独で進めるのに困難な手続きは、住宅会社や不動産会社に相談しながら確実に進めていきましょう。
兵庫エリアを拠点とするヤング開発では、省エネ性能の高い仕様を無料標準とし、お客様が安心して快適に過ごせる家づくりを行っています。また、ご購入者様向けに住宅ローン控除や確定申告書についてのご案内を行い、アフターフォローについても万全を期しています!
マイホームに関するご相談なら、ヤング開発までお気軽にお問い合わせください。


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