建築物省エネ法の改正により、2025年度からすべての新築住宅において省エネ基準への適合が義務化されることになりました。
地球環境への意識向上や光熱費の大幅な高騰などもあり、省エネ住宅への関心は急速に高まっているように見えます。
しかし、省エネ住宅にはZEHや長期優良住宅などたくさんの種類があり、特徴や違いがいまいち分からないという方も多いのではないでしょうか。
この記事では、省エネ住宅の種類や特徴、補助金制度などを一挙に紹介します。省エネ住宅を検討する方はぜひ参考にしてください。
省エネ住宅の種類
省エネ住宅は、家庭内で消費するエネルギーを抑えるための仕組みが施された住宅です。「断熱」「日射遮蔽」「気密」の3つの性能に考慮することで、高い省エネ性能を目指します。
省エネ住宅にはさまざまな種類があり、重視されるポイントや認定基準が異なります。
現在、国が交付するものなど主な補助金制度が設けられているのは「ZEH」と「長期優良住宅」です。ただし、それ以外の省エネ住宅でもほとんどが住宅ローン減税制度や金利引き下げの対象となります。
それぞれの特徴を具体的に紹介していきましょう。
省エネ基準適合住宅
2022年6月の建築物省エネ法の改正により、2025年4月以降はすべての新築住宅において省エネ基準への適合が義務化されることになりました。
高い断熱性能や省エネ性に配慮された省エネ基準適合住宅ですが、今後の新築住宅においては必須の性能レベルとなります。
ZEH
ZEH(ゼッチ)とは「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス」の略称です。
ZEH住宅では、高断熱・高気密の外皮と高省エネ性の設備を導入し、エネルギー消費を抑えながら、太陽光発電などの創エネ設備を組み合わせることで、年間の一次エネルギー消費量を概ねゼロにします。
家を建てる地域や建築条件により「Nearly ZEH」や「ZEH+」などの区分があります。
2024年内の補助金制度では「子育てエコホーム支援事業」にて最大80万円を受給可能です。
LCCM住宅
LCCM(ライフ・サイクル・カーボン・マイナス)住宅は、建築から解体までのCO2排出量を抑える配慮がされた省エネ住宅です。ZEHの性能に加え、さらに脱炭素化に特化した住宅と言えます。
申請によりLCCM住宅としての認定、補助金対象となりましたが、2024年2月現在、申請受付を終了しています。
認定長期優良住宅
認定長期優良住宅は、省エネ性能だけでなく耐震性や劣化対策、住みやすさやバリアフリー性など、さまざまな観点で配慮され、国の認定を受けた住宅です。
また、維持管理や保全に関する計画を定めることも基準に含まれるため、メンテナンス性という点でも優れた住宅と言えます。
ZEHと同じく「子育てエコホーム支援事業」の対象になり、最大100万円を受給できます。
認定低炭素住宅
認定低炭素住宅は、CO2の排出を抑えるための対策が取られた環境配慮型の住宅です。
「都市の低炭素化の促進に関する法律(エコまち法)」において制定されているため、原則として市街化区域に建てられた住宅が対象となります。
建築の劣化対策に加え、節水型機器の採用やエネルギー消費を管理するHEMSの導入、住宅と電気自動車間で給電・充電ができるV2Hの設置などが必要とされます。
HEAT20対応住宅
高断熱住宅の基準である「HEAT20」。冬の期間の体感温度を10℃~15℃以上に保ち、暖房機器により消費されるエネルギー量を削減し、優れた省エネ住宅を目指す推奨基準です。そのため、ZEHや長期優良住宅などの省エネ住宅をHEAT20の基準で測ることもあります。
G1・G2・G3の3つのレベルがあり、G3ではドイツのパッシブハウス水準を目指します。
ヤング開発では「HEAT20 G2」グレードが全戸無料標準で選択可能です。G3は主に寒冷地向けの性能レベルであるため、それ以外の地域ではG2グレードで十分に快適な室内環境が維持できるでしょう。
スマートハウス
スマートハウスとは、太陽光発電により電気をつくり、蓄電池に電気をため、IT技術を駆使して電気を賢く使う省エネ住宅のことです。
導入される設備は、太陽光発電システム、リチウムイオン蓄電池システム、高効率電気給湯機、省エネ家電、そしてエネルギー消費を管理するHEMSなどが挙げられます。
パッシブハウス
パッシブハウスは、23年前にドイツのパッシブハウス研究所が開発した省エネ住宅です。世界基準レベルの気密性・断熱性を有し、自然エネルギーを積極的に活用するといった特徴があります。
パッシブハウスを建てるためには、十分な知識と経験のある工務店や設計事務所への依頼が必要です。
性能向上計画認定住宅
性能向上計画認定住宅とは、建築物省エネ法の第35条に掲げられた基準(省エネ性能、省エネ性往生計画、省エネ性向上のための資金計画など)を満たした住宅のことです。
長期優良住宅や低炭素住宅と異なり、性能向上計画認定住宅は省エネ性能だけに特化している点が特徴です。
どの種類の省エネ住宅がおすすめ?
補助金利用なら「ZEH」か「長期優良住宅」
現在利用できる省エネ住宅向けの主な補助金制度「子育てエコホーム支援事業」の対象は、ZEHもしくは長期優良住宅となっています。補助金を受けながら初期コストを抑えたいと考える場合には、このどちらかで申請するのをおすすめします。
また、ZEHや長期優良住宅であれば初期コストと性能バランスも良く、ZEHでは大きな光熱費の削減効果、長期優良住宅では家の高寿命化が期待できます。
快適さを追求するなら「HEAT20対応住宅(G2以上)」か「パッシブハウス」
今回紹介した中で、より省エネレベルが高く住環境の快適性を求めたいというのであればHEAT20・G2グレード以上の住宅か、パッシブハウスがおすすめです。
断熱効果が非常に高く、特に冬の寒さには強いため、寒冷地でも光熱費を抑えながら快適に過ごすことができるでしょう。
ただし、一般的な住宅に比べ建築コストが上がるデメリットがあります。地域性やコストバランスを見極めながら選択することが重要です。
性能を体感するならモデルハウスや現場見学会を活用!
性能評価や設計手法によりさまざまな種類がある省エネ住宅ですが、実際に体感することで確実に性能を知ることができます。
注文住宅のように、出来てみないと体感できないことに不安があるという方は、モデルハウスや現場見学会を積極的に活用することがおすすめです。さらに、建売住宅であれば実際に自分たちが住む家を前もって確認できるのに加え、搭載している太陽光パネルの発電量などをあらかじめ知ることができます。家づくりを後悔したくないと考える堅実派の方には向いている方法と言えるでしょう。
まとめ
今回は、省エネ住宅の種類や特徴についてまとめて紹介しました。
省エネ住宅を取得することで、補助金制度や住宅ローン減税制度の利用、金利優遇などさまざまなメリットを得られます。
一方で、認定基準のクリアや申請には費用がかかるため、計画的に証明書の取得等を行う必要があります。初期コストやランニングコストなどのバランスにも配慮しながら、家族の価値観に合った省エネ住宅を選びましょう。
兵庫県の播磨エリアで分譲住宅を手掛けるヤング開発では、ZEH仕様を無料標準とし、お客様が安心して快適に過ごせる家づくりを行っています。
エネルギー消費の少ない環境にやさしく快適な暮らしを実現する当社の継続した取り組みが評価され、一般財団法人日本地域開発センターが主催する「ハウス・オブ・ザ・イヤー・イン・エナジー」において特別優秀賞を4年連続で受賞、省エネ住宅優良企業賞を2年連続で受賞いたしました。
省エネ住宅に関するご相談なら、ヤング開発までお気軽にお問い合わせください。
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