高騰し続ける光熱費や省エネ意識の向上を背景に、住宅の断熱性能に対する関心が急速に高まっています。
そんな状況の中、住宅の断熱性や省エネ性に関わる「HEAT20」という言葉を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。HEAT20は、ZEH住宅や長期優良住宅を上回る断熱性能を示す基準であり、G1~G3のグレードに区分されています。
この記事では、あらためてHEAT20を解説したうえで、G2グレードを目指すメリットをお伝えします。HEAT20は今後の家づくりで必須ともいえる情報です!ぜひ参考にしてください。
ZEHを超える断熱性「HEAT20 G2」とは?
HEAT(ヒート)20とは「一般社団法人20年先を見据えた日本の高断熱住宅研究会」の略称です。HEAT20では、日本を8つの地域に区分し、それぞれの地域に適した断熱性能の基準を定めています。HEAT20は民間基準ですが、国が定める省エネ基準よりもエネルギー削減率が高く、「ZEH(ゼッチ)」など主要な省エネ住宅以上の断熱性能を求められることから、今後目指すべき基準として大きく注目されています。
今、HEAT20が注目されているワケ
HEAT20の基準が定められた背景には、日本住宅の断熱性能が諸外国と比べ非常に低レベルという事実がありました。2018年時点の既存住宅では、現行の省エネ基準を満たす住宅は11%のみ。なんと、9割近くもの住宅が十分な断熱性を持たず、さらに全体の3割は無断熱という結果でした。
しかも、現行の省エネ基準はそもそも高レベルとは言えず、ドイツの「パッシブハウス基準」に比べると省エネ性(年間のエネルギー燃費)は約7倍の開きがあります。
2025年度からは現行基準を超える断熱性や省エネ性を設けることが義務化されますが、それでも十分とはいえません。
HEAT20では、家の中で暑さ寒さを我慢することなく、快適で省エネに暮らすために必要な高断熱の指標を独自につくり、普及を目指してきたことが評価され、現在大きく注目される結果に至りました。
参考:国土交通省|脱炭素社会に向けた住宅・建築物の省エネ対策等のあり方検討会 説明資料
断熱性能を判断する地域区分と基準
各地域における断熱性能は、UA値という数値や、8つに区分された該当エリアの組み合わせで判断されます。
UA値:室内の熱が外部へどのくらい逃げやすいかを示す数値。値が小さいほど熱が逃げにくく、断熱性が高いことを示す。
国の省エネ基準に則る「断熱等級」とHEAT20のUA値ですが、各地域において必要とされる数値は以下の通りです。
地域区分 | 1・2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 |
代表都市 | 札幌 | 盛岡 | 松本 | 宇都宮 | 東京 | 鹿児島 | 那覇 |
HEAT20 G3 | 0.20 | 0.20 | 0.23 | 0.23 | 0.26 | 0.26 | - |
等級7 | 0.20 | 0.20 | 0.23 | 0.26 | 0.26 | 0.26 | - |
HEAT20 G2 | 0.28 | 0.28 | 0.34 | 0.34 | 0.46 | 0.46 | - |
等級6 | 0.28 | 0.28 | 0.34 | 0.46 | 0.46 | 0.46 | - |
HEAT20 G1 | 0.34 | 0.38 | 0.46 | 0.48 | 0.56 | 0.56 | - |
等級5 ※2030年度義務化 | 0.40 | 0.50 | 0.60 | 0.60 | 0.60 | 0.60 | - |
ZEH | 0.40 | 0.50 | 0.60 | 0.60 | 0.60 | 0.60 | - |
等級4 ※2025年度義務化 | 0.46 | 0.56 | 0.75 | 0.87 | 0.87 | 0.87 | - |
HEAT20 G1・G2・G3の断熱レベルの違い
HEAT20ではG1からG3までの基準が定められており、地域ごとのUA値は前項で示した通りですが、より実感しやすいのは室温の違いです。G1からG3の定める基準は、住まいの健康を目的として、室内の温度ムラを小さくし、暮らしやすさ向上や温度ストレスを考慮して設定されています。
1・2地域 | 3~6地域 | 7地域 | |
HEAT20 G3 | 概ね16℃を下回らない | 概ね15℃を下回らない | 概ね16℃を下回らない |
HEAT20 G2 | 概ね15℃を下回らない | 概ね13℃を下回らない | |
HEAT20 G1 | 概ね13℃を下回らない | 概ね10℃を下回らない | |
省エネ基準(等級4) | 概ね10℃を下回らない | 概ね8℃を下回らない |
「HEAT20 G2」のメリット
G1グレードでもZEH住宅などの水準を超える断熱性能が期待できますが、今後の家づくりで目指すべきはG2グレードです。ここでは、HEAT20 G2グレードのメリットをお伝えします。
1年中過ごしやすい家になる
G2グレードの基準をクリアした家は、ZEH住宅や長期優良住宅と言った省エネ住宅の性能を大きく超える断熱性が期待できます。季節による温度差の激しい本州でも、室温を一定に保ち季節を通して快適に過ごすことができます。
冬季の最低室温も13~15℃に保つことができるため、急激な温度差によって引き起こされるヒートショックのリスク軽減が期待できるでしょう。
光熱費を削減できる
外気温の影響を受けにくい高断熱仕様により、冷暖房効率を上げ大幅に光熱費を削減します。光熱費が上がり続ける現在、特に期待すべきメリットと言えるでしょう。
また、G3グレードほどに断熱対策への初期投資がかからないため、コストバランスが良い点も魅力のひとつです。
人と家の健康に貢献する
断熱性の低い家は、外壁や窓部分における室内外の温度差が激しく、結露やカビが発生しやすくなります。住宅の結露やカビは、アレルギーや喘息の原因となるだけでなく、建物の主要な構造体を腐食させる原因となります。
G2グレードの住宅では、内・外への断熱材や樹脂サッシのLow-Eペアガラスなど、高断熱基準をクリアするための高性能な建材が採用されます。高い断熱仕様により、結露やカビの発生を防ぎ、人と家の健康を長期的に守る住まいとなるのです。
購入時に補助金が活用できる
HEAT20に対する補助金制度はありませんが、G2グレードは国の定める「ZEH+ハイグレード仕様」の断熱性能を満たすため、基本的なZEHの条件をクリアすれば補助金の対象になる可能性があります。さらに、メンテナンス計画や構造計算の実施などの条件を満たすことで、長期優良住宅を対象とする補助金を受けることも可能です。
▼2024年度 ZEH住宅に対する補助金事業についてはこちら▼
https://www.yangu-kaihatsu.co.jp/company_blog/2024年度zeh補助金受付開始!ヤング開発「heat20%e3%80%80g2グレー/
なお、ヤング開発の「HEAT20 G2グレード」仕様なら補助金最大125万円が受け取れます!
今後の家づくりはHEAT20を基準に
HEAT20の基準で建てられた住宅は、少ないエネルギー消費でも快適に過ごせ、光熱費の大幅な削減が期待できます。
未だ断熱性や省エネ性については発展途上と言える日本の住宅業界ですが、HEAT20の考え方は今後広く浸透していくものと思われます。
この先何十年も暮らしていくマイホームを建てるならば、最低でも2030年に義務化が予定されている断熱等級5以上の性能を、さらなる快適性と省エネ性を得たいならばHEAT20 G2グレードの性能を確保するのがおすすめです。
ヤング開発なら「HEAT20 G2グレード」仕様を無料で選べる!
今回は、今後目指すべき住まいの断熱性能「HEAT20 G2」グレードについてお伝えしました。
兵庫を拠点に家づくりを手掛けるヤング開発では、標準仕様でZEH住宅を提供しているだけでなく、選べる無料標準としてHEAT20 G2グレードを設定しています。
G2グレードをお選びいただけば、ZEH支援制度における「ZEH+」の100万円、追加補助の「ハイグレード仕様」25万円、計125万円が受給できます!
高断熱・省エネの家づくりをご検討の方は、ヤング開発までお気軽にご相談ください。
※補助制度の内容は2024年5月現在の情報に基づき作成したものです。最新の情報は、各制度の公式ホームページでご確認ください。
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